真夏の京都を楽しむ ~二日目~ 広沢池で送り火を見る
二日目
いよいよ五山送り火当日です。
去年は鴨川沿いで大文字焼きを見ました。
今年は広沢池で鳥居形が見たいとかねてから思っていたので、一日の行動範囲は嵐山近辺に限られています。
AM 5:30
起床。とりあえず身支度します。
AM 6:00
出発。近くの100円コンビニで軽食を買って食べながら四条烏丸駅へ向かいます。
AM 6:40
阪急西院駅に到着。ここで自転車を借ります。
利用したのは阪急レンタサイクルです。
ネットで「京都 レンタサイクル」と調べると、いろんなレンタサイクルショップがヒットしますが、殆どのところが午前9時から営業になっています。
早朝観光をしたい人にとってはこの時間だともはや手遅れ感が否めません。
しかし、阪急レンタサイクルは午前6時から営業しているため、早朝観光にもってこいです。しかも一日の利用料金が、普通車の場合は310円、電動車の場合は420円ととても安い料金設定になっています。私のような貧乏学生の強い味方です。
ということで、友人と共に420円の電動車を借りて嵐山に向かいます。
電動自転車には初めて乗ったのですが、信号の多い市街地を走るのにはホントに楽ですね。スタートがびっくりするくらいスムーズです。
AM 7:10
電動アシストの力もあってか、おもったより早く渡月橋に到着。
嵐山はいつも人がたくさんいてゴチャゴチャしているイメージだったのですが、早朝なのでやはり人が少なく静かです。
渡月橋の近くの駐輪スペースに自転車を置いて、竹林の小道へ向かいます。
橋を渡って、繁華街をまっすぐ進みます。
すると、看板に「竹林の小道」の文字が。看板に従って進んでいくと......
うーん素晴らしい。とても静かでただただ美しい。
すれ違う外国人観光客の方々がこぞって写真を撮っていました。外国人向け観光雑誌にも載っているくらい、この竹林は有名なのでしょう。
空気を大きく吸い込んで竹のエネルギーを全身で吸収します。写真も存分撮れたので送り火の下見も兼ねて、広沢池へ向かいます。
渡月橋から広沢池はすぐです。
道中、とてものどかな風景が続きます。
とってもユニークなかかしですね。左から二番目、たぶんあれは〇ケモンGOをやっている人であればわかると思いますが、どこへ行っても出てくるアイツですね。トレンドをしっかりと抑えているあたりに感服します。
AM 8:50
広沢池に到着。あいにく写真を撮るのを忘れてしまいました。
広い池です(雑)。湖を挟んで向こう側の山に鳥居型に掘られた部分が見えます。
そして湖のほとりには三脚がちらほら。今夜の送り火の場所取りがもう始まっているのですね。私も三脚は持っていましたが、盗難されもあれですし、一時間くらい前に来ればいい場所取れるだろうと楽観的に考えていました。
特にすることがないので、周辺の観光地を探ってみます。
金閣寺はどうせ観光客でごった返してるだろうと考え、龍安寺へ行くことにしました。
龍安寺(りょうあんじ)は、京都府京都市右京区にある臨済宗妙心寺派の寺院。妙心寺との関係が深く、山内塔頭と同様の扱いを受けている[1][2]。山号は大雲山と号し、石庭で知られる。本尊は釈迦如来、開基(創建者)は細川勝元、開山(初代住職)は義天玄承である。「古都京都の文化財」として世界遺産に登録されている。
龍安寺は石庭が有名ですね。JR東海のおなじみのCM「そうだ 京都、 行こう。」でも何度か取り上げられていましたね。
AM 9:15
龍安寺に到着。拝観料500円を支払い境内へ。
入口からすぐのとことに石庭拝観の看板が。とりあえず看板の矢印に従って進み、靴を脱いで建物の中に入りま
す。
中にはおなじみの石庭がありました。
整然と並ぶ石。すべての石を同時に見ることはできないと言われています。
石庭をじっくりと眺めた後、再び靴を履いて境内を散策してみます。
境内はとても緑が多く、心が洗われるような心地がします。
とてものどが渇いたので、駐輪場の近くのベンチで一休み。
自動販売機で買った炭酸飲料が体を潤してくれました。
次は、近くの仁和寺へ行きます。
AM 10:24
仁和寺に到着。
仁和寺(にんなじ)は、京都府京都市右京区御室にある真言宗御室派総本山の寺院。山号を大内山と称する。本尊は阿弥陀如来、開基(創立者)は宇多天皇。「古都京都の文化財」として、世界遺産に登録されている。
龍安寺も仁和寺も世界遺産なんですね。改めて京都の歴史の深さに感銘を受けます。
仁和寺では特に何をするでもなく、適当に境内をうろつきました。
当方歴史には詳しくないので、直感的な感想しか言えませんが、入口の仁王門はすごい迫力でした。
滞在時間は30分にも満たなかったのではないでしょうか(笑)
拝観料を払うことなく早々に立ち去りました。
おなかもすいたので嵐山に戻ります。
AM 11:23
嵐山よしむらで昼食をとります。
とても風情のあるお店で、窓側の席であれば、嵐山の景色を楽しみながら食事をすることができます。残念ながら私たちが通されたのは、窓側の席ではありませんでした。
私はとろろそば、友人は京の野菜そばを注文。
10分ほどで料理がテーブルに運ばれてきました。
んんー美味しい。
蕎麦つゆも適度な濃さで、とろろが食欲を増幅させます。
ズルズルズル
あっという間に完食してしまいました。
やはり暑い日には冷たいそばがぴったりです。
食後は蕎麦湯をいただきました。
なんだこの味
今まで何度か蕎麦湯を飲んだことはあるけど、こんなに美味しい蕎麦湯は初めてでした。そばの香りが鼻を突き抜け、深い味わいが広がります。
ごちそうさまでした。
空腹が満たされたので、桂川の沿いのベンチで休憩しようと思ったのですが、ベンチはほとんど他の観光客に占領されてしまっていました。
嵐山の繁華街も人多いし落ち着かないと考え、嵐山から少し離れたところにある甘味処へ行こうと考えました。
友人が「鮎茶屋 平野屋ってところいいんじゃない」とmapアプリを見ながら言うので、とりあえず行ってみることに。
ここから鮎茶屋 平野屋まではざっと3km。
ふたたび自転車にまたがって目的地を目指します。
嵐山の繁華街を思いっきり自転車で駆け抜けるのはなかなか気持ちが良かったですね。ただ、観光客が頻繁に横断をするので気を抜くと接触しそうになりますが....
繁華街を抜け、しばらくペダルを漕ぐと、閑静で古風な町並みが現れてきました。先程までの喧騒がウソのようです。
さらに自転車を漕いでいきます。
PM 0:24
鮎茶屋 平野屋に到着。江戸時代にタイムスリップしたかのような錯覚に陥ります。お店からは蒸気が漏れ、かすかに甘い匂いが。
中に入って、お店の方に声をかけ、しんこもちを注文します。
まず、梅(?)がはいったお冷が運ばれきました。
うめの甘酸っぱさと冷えた水が乾いた体を潤してくれます。クエン酸パワーで疲労回復です。
のんびりと待ちます。私と友人ともに汗だくだったので、友人から制汗シートをもらい、滴る汗を拭き取ります。その様子を見てか、お店の方が扇風機を回してくれました。お気遣い感謝です。
汗が引いてきて、少し落ち着いたので、深呼吸。
お店の中は木の匂いが心地よく、祖母の家を彷彿させるようなぬくもりがあります。
いいところにきたなぁー。
そんなことを思っていたら、注文していたしんこもちが運ばれてきました。
まずはお抹茶をすすります。
抹茶と言えば、私はハーゲンダッツのフレーバーでは一番グリーンティーが好きですが、その印象が強すぎたせいか、甘くないお抹茶にちょっとしたカルチャーショックを受けます。
以前まで抹茶とグリーンティーは同じものだと思っていたのですが、グリーンティーと抹茶は似て非なるものらしく、抹茶は...
抹茶(まっちゃ)は、緑茶の一種。碾茶を粉末にしたもの。またそれに湯を加え撹拌した飲料。茶道で飲用として用いられるほか、和菓子、洋菓子、料理の素材として広く用いられる。
一方、グリーンティーは抹茶に乳脂や砂糖を入れて飲みやすくしたものの総称らしいです。つまり、本来抹茶は甘くないのが正解なんですね。そう考えても市場に出回ってる殆どの抹茶製品には味がついていますよね。我々日本人として、しっかりと本来の抹茶の味というものを知っておくべきだと思いました。
脱線してしまいました。
お抹茶の程よい苦味が口に残る状態で、しんこ持ちを一ついただきます。
おもち自体にはほとんど味が付いておらず、甘みを補填するように黒糖が口の中で溶け出します。とても上品なお味です。おもちは程よく歯ごたえがあり、とても食べやすかったです。
時間もまだまだあるのでゆっくりと1つずつ味わって食べます。
ごちそうさまでした。
ゆっくりと味わうつもりが、案外早く食べ終わってしまいました。
30分ほどゆっくりした後、お店を後にしました。
送り火までまだ全然時間あるし、どうしようか。。。
とりあえず、周辺を散策することにします。
和雑貨のお店に入り、うろうろしていると、お店の方が玄米茶(はっきり覚えていない)をくれました。程よく冷えていて、これもまた上品な味がします。
結局、何も買わずに店を出ました。
PM 1:30
送り火までまだまだ時間があるし、特に行きたいところもないので、近くのマクドナルドへ行くことに。
適当に飲み物を買って、かれこれ3時間ほど時間を潰しました。
PM 4:30
再び嵐山に。
送り火と同時に嵐山では灯篭流しが行われるため、桂川沿いには早くもブルーシートを広げている人がいます。昼間より明らかに人が増えています。
近くのコンビニでは、店前に露店が出ており、いよいよ祭りの感が強くなっていきます。コンビニでお茶と氷菓を買って、川沿いで食べ、その後は適当にお土産屋さんで時間を潰しました。
良い時間になったので、広沢池へ向かいます。
PM 6:00
広沢池に到着。近くの公園に自転車を置き、湖の辺りへ向かいます。
着いて驚きました。そこには既にズラーッと並んだ三脚が。出遅れた感が否めません。とりあえず自分も三脚が置けそうなスペースを探します。平地はもうすでに埋まっているので、仕方なく足の長さを調整して斜面に立てる形になってしまいました。
隣にはNHKの大きなクレーンが。
【スペシャルライブ!京都 五山送り火】 BSプレミアム きょう午後6時~ 京都の夏の夜空を彩る「五山送り火」。市内30か所にカメラを設置、古都を舞台にした壮大な炎の行事をたっぷりとお伝えします。 #nhkbsp https://t.co/nnbAN8MDqm
— NHK編成センター (@nhk_hensei) 2016年8月16日
生中継だったんですね...
クレーンの可動範囲と明らかに被っているので、もしかしたら送り火撮れないかもしれない..... と落胆していました。
送り火までまだ時間はありますが、先ほどからポツポツと雨が降っています。
とりあえず小雨程度なので、傘はささずに待ちます。
PM 7:30
対岸の方で灯篭流しの準備をしているのが伺えます。
しかし、先程まで小雨だったのがいよいよ本降りになってきました。
傘は私が所持しているものしか無いので、仕方なく友人と相合傘です。黒髪の乙女であれば、相合傘するにやぶさかではないのですが、あいにく私の隣りにいるのは工学部の男子大学生です。工学部の男子大学生同士が相合傘をしている光景はいささか見るに耐えない光景ではありますが、そんなことは気にしていられません。とりあえず今は火が灯されるであろう向かいの山に神経を集中させます。
PM 7:55
土砂降りの中、山に火が灯り始めます。正直、中止が危ぶまれるほどの雨の強さでしたが、決行するみたいです。
頑張れ.....
PM 8:30
鳥居形だ!
大雨の中なんとかすべての火が灯り、鳥居を形成します。周囲からは歓声が。
送り火の期限は平安時代あるいは江戸時代と言われていますが、長い歴史を持つ伝統行事が自然の猛威に屈しないところに感動しました。
天候には恵まれず、灯籠と送り火を一緒に撮影するという当方の目的は叶いませんでしたが、素敵な光景をこの目で見ることができて良かったです。
カメラと三脚をザックにしまい、広沢池を後にします。
道路には交通整備の警官がいます。改めて、すごい人の数だなぁ。
雨がまだ強いので、近くの施設の軒下で雨脚が弱まるのを待ちます。
20分くらい待ってようやく小雨になりました。自転車で阪急西院駅を目指します。
PM 9:40
阪急西院駅に到着。今日一日お世話になった自転車と別れを告げます。
PM 10:30
宿に到着。そう言えば夕飯食べてないなぁ。ということで、近くのやよい軒で適当にご飯を済ました。やよい軒はご飯のおかわりが自由なのがGOODです。
PM 11:40
とりあえず、目的は果たせました。
明日は三千院に行きます。
おやすみなさい。